愛犬の晩年との向き合い方

実家で飼っていた愛犬は、13歳で亡くなってしまいました。
散歩が大好きな犬だったのですが、晩年は耳が聞こえなくなり、目も見えなくなってしまいました。無理のない範囲で散歩に行っていたものの、家に帰りつく前に歩かなくなることが増え、散歩に連れて行くのをやめてしまいました。

それでも歩くことが好きで、習性からか、家の中をずっと歩き回っていました。多少は認知もあり、家具にぶつかって前に進めなくなると、家族が方向を変えてあげて進めるまで力なく鳴き続けていました。

何より散歩が大好きな愛犬は、毎日家の中を歩きます。疲れたらぼてっと横になり、眠ります。目が覚めると起き上がってまた歩き続けました。

トイレの場所がわからなくなっていたので、家族で相談して赤ちゃん用の紙パンツをはかせることにしました。サイズがちょうど良かったことと、しっぽの部分をくり抜けばおしりのサイズがピッタリでした。おしっこは現役の頃と変わりなく、1日一回です。これで失敗することがなくなりました。

食事もだんだん難しくなってきました。何も食べなくなっても、のどは乾いているだろうと、家族で協力して水を飲ませていました。口を開ける人、歩きたがるのを抑える人、水を口に入れる人です。そのままでは口に入らないため、スポンジに水を含ませて口に入れるようにしました。

老衰なので、病院へは連れていきませんでした。若いころから病院を嫌がっていたので、かわいそうだなと思ったからです。

愛犬の晩年は、家族の愛に包まれていました。寂しい気持ちがあったものの、幸せな気持ち、楽しい気持ちをたくさんくれたので、優しく見守ることができました。必ず誰かは家にいるようにして、愛犬を一人にすることはありませんでした。最期は母と父のいるときに迎えました。

最期の日まで歩いていたのでしょう。横になりながらも足を動かしていました。天国でも、たくさん散歩している元気な姿を想像できます。