自然の多い環境に居住していると、犬の散歩は毎日、飼い主にとっても良い運動になりますし、犬自身も土や草むらを直接肉球に感じながら、思いっきり楽しそうに走り回ります。以前、少し離れた所謂アウトレットと呼ばれる、おしゃれな今どきのお店が連なる場所で目にしたのは、これまたおしゃれな格好をさせられた高級外車でやってきた、高価で売買される犬種のお犬様たちでした。
そこには何とドッグランも併設されており、これ見よがしに、多くの飼い主が犬を走り回らせているのでした。室内犬では、一度も外の世界を知らずにいる子もいたり、都会では、散歩させるにもアスファルトの上でしか歩いたことのない子であったりと、何となく可哀そうに感じます。人間同様、犬だって、アスファルトよりは土や草っぱらの上の感触を肉球で感じる方が嬉しいと思うのですが。
態の良い、囲いのある疑似自然なドッグランと呼ばれる散歩コースは、全く無いよりは多少ましなのかもしれませんが、お金をけなくとも、近所の原っぱの方がずっと良いような気がします。現在住んでいる自然豊かな近隣にでも、わざわざ設備投資をして、立派なドッグランが建設され、高価な使用料を払って、都心からやって来る人々がいます。
何もそこまでしなくても、最低限度のマナーを守っていれば、いくらでもその辺を散歩させられると思うのですが、恐らく、リードも外して存分に走らせたいとの思いからなのでしょう。草むらの中で、あの独特の草の匂いを嗅ぎながら、アスファルトではない、土特有の柔らかさや固さ、湿り気の具合、天気によっても環境に違いのある自然の空き地、それらを直接肉球から感じて、飛び回る我が家のミックス君は、心の底から楽しそうで、ハアハア息を切らせながらでも、満足そうな表情をします。
囲いのない、ごくありふれた自然の残る片田舎ですが、我が家の愛犬にとっては、人間の設置したドッグランより、お気に入りのようです。